地域密着型中間支援組織による防犯まちづくり支援のあり方(その1)   

NPO法人岡崎まち育てセンター・りたが、岡崎市T学区をモデル地区として、地域の防犯まちづくりに地域密着型の中間支援組織(支援者)として関わり、防犯まちづくりを進めてきた経緯について6ページにわたり紹介します。その1では、モデル地区となった岡崎市およびT学区の概要と、モデル地区の選定の経緯について論じます。


出典:吉村輝彦・三矢勝司・天野裕「地域密着型中間支援組織による防犯まちづくり支援のあり方 その1:岡崎市の概要とモデル地区の選定経緯」日本建築学会学術講演梗概集. F-1,  2010, pp997-998,

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岡崎市の概要

  1. 岡崎市T学区の概要

岡崎市は愛知県の南部にあり、人口約37万人の中核都市です。その中でT学区は、岡崎市中央部にある緑豊かで完成な住宅街です。学区の西側には大型ショッピングセンターの開発などがあり、一方で少子高齢化が進むなど環境の変化が進んでいます。学区は9つの町内会(町内会長は総代と呼ばれる)で構成されています。女子高生を狙った犯罪が多数発生しており、地区の治安を心配する声の高まりがありました。


  1. NPO法人岡崎まち育てセンター・りたとは?

1996年に発足した「岡崎まちづくり市民公社」が母体となっています。公社は岡崎市内の地縁組織をつなぎ、市民自治の実現を目指して発足した行政主導の団体でした。そこへ、まちづくりファシリテーターらが参画して民間主導の団体へと生まれ変わり、2005年に「NPO法人岡崎まち育てセンター・りた」として生まれ変わりました。現在では市民と行政の対話と協働によるまち育ての推進役として活動を進めています。

りたの特徴は側方支援者であることです。地域の担い手の自主性を尊重する立場で現状の把握を支援し、担い手とともに現状の問題に対するアプローチを模索しながら、将来的なビジョンを見いだしていきます。


  1. 岡崎市の防犯まちづくりに関連する地域組織

岡崎市では、学区を地縁とした中心的な地域組織として、「総代会」「学区社会教育委員会」「学区福祉委員会」があります。

  • 総代会・・・町内会・自治会と同意
  • 学区社会教育委員会・・・学区の社会教育の推進と学区住民の教養・文化の向上をはかり、明るく健全な地域を築くために作られた自主的な組織
  • 学区福祉委員会・・・総代会、学区社会教育委員会、民生委員児童委員、老人クラブなどの各種組織や学区の住民の中から地域福祉に心ある人が委員になり、広報紙の発行、福祉マップの作成、見守り活動などを学区単位で行う福祉活動団体。1998年度から市内の小学校区(一部中学校区)を単位として設立が進められた。

モデル地区の選定の経緯

警察や行政から情報収集を行い、下記の点を踏まえて各学区の特徴を分析しました。

  • 子どもに対する犯罪発生件数の推移
  • 人口構成の推移
  • 地域力の動向(既存の防災、防犯、環境まちづくり活動)
  • 担い手の有無(防犯組織や自治会組織)

その結果、以下を根拠にT学区をモデル地区に選定しました。

  • 地域活動の担い手の引き継ぎに課題があり、持続への懸念があった
  • 住民参加による公園作り実績など地域力の期待があった
  • 犯罪件数が増えている

その2:初動期プロセスと支援の実態につづく

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

参考にしたい

  • モデル地区
  • 先進事例

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