計画づくり

本編 04-16

防犯まちづくり原則(通称:りぶら原則*)   

*本原則策定のための第1回会議が岡崎市図書館交流プラザLibraで開催されたことによる。

現在、「防犯まちづくり」を旗印に、全国各地で住民による活動が活発化しています。しかし、防犯まちづくりを通じて自分たちがどのような地域を目指 すの か、すなわち防犯まちづくりのビジョンは必ずしも共有されていないように思われます。そのために、関係者の足並みが揃わない、活動が行き詰まる、一部の住 民にとって住み心地の良くない地域になるなどの問題に突き当たる事例が見られます。
この原則は、各地の住民が防犯まちづくりのビジョンを描く際の参考資料として、私たちが考える防犯まちづくりの目指すところを7つの原則に整理したものです。

原則A(communication and interaction)

相互関係や対話・交流が深まるまちをつくること

キーワード

声かけ、 挨拶、 コミュニケーション、 対話、 相互作用、 相互理解、 共有(分かち合い)、 緩やかな連携

  • 自分たちのまちを知らない、近所の住民のことを知らない状態が、まちへの愛着を妨げ、安心して暮らすことを妨げます。まちを知り、住民を知る理解や学習をすることからまちづくりが始まります。
  • まち・地域・環境との対話、住民相互の対話や交流の場から想いを分かち合う。こうした対話・交流の場を基軸としたまちづくりのプロセスを大事にしていきます。



原則B(ownership)

わがまち意識を高めること

キーワード

当事者性、 領域性、愛着、誇り、 アイデンティティ、 まちへの関心、 主体性

  • まちの原風景は、子どもの自己形成期に最もしっかりと形づくられます。自分が生まれ育ったまち、そしてそのまちの資源や宝物に対する愛着や誇りは一生の思い出として残り、大人になって自分が地域社会を育むときの糧になります。
  • 地域社会は、みんなで支え合っており、自分が住んでいる地域社会について理解しようとする態度を持つことが大切です。それがやがて地域への誇りと愛着を育み、子どもへと受け継がれます。
  • まち(まちづくり)への関わりや分かち合いを通じてわがまち意識が醸成されてきます。それが、人々のまちの一員としての当事者意識を育みます。そうした関わりの場づくりも重要です。



原則C(social bond)

まちの紐帯を強めること

キーワード

尊重、 安心、 人の輪、 役割分担、 おたがいさま、 ソーシャルキャピタル、信頼

  • 人と人との信頼関係に基づく地域内の人の輪は、人々に安心感を与えるだけでなく、地域社会活動に良い影響をもたらします。
  • その実現のためには、個人や状況によって適切な役割分担があること、さまざまな役割がお互いを支えあっているという「おたがいさま」の感覚が大切です。
  • 信頼関係を築き(信頼を醸成し)、相互関係を発展させていくプロセスを大事にしていきます。



原則D(diversity)

まちの多様性と他への寛容さを育むこと

キーワード

多様性、 多世代、 異年齢、 包摂・包容力、 寛容性、 非排他性

  • まちには、多種多様な人や資源がありますが、自分が関わるものには関心を向けるものの、そうでないものには無関心であったり排他的になったりします。
  • また、まちには、多様で複雑な問題や課題がありますが、そうした問題の解消に取り組むためには、問題の多様性に応じた多様な主体の関わりやつながりが必要です。
  • 他者への無理解や無関心は、根拠のない犯罪不安を助長したり、活動を閉塞させる原因となります。犯罪の起きにくい社会を目指して、まちに暮らす様々な人々の立場や状況を理解、尊重しながら、多様な関係を築いていくことが求められます。



原則E(speadability)

広がりのあるまちづくりを展開していくこと

キーワード

協働、両立性、バランス、生活の質

  • 防犯だけでなく、環境、景観、福祉、防災、地域活性化など他のテーマにまちづくり活動が展開し、様々な視点を両立さえ、広がりあるまちづくりを展開することが期待されます。ひとつのテーマに偏らず、各テーマのバランスがとれていることが、生活の質の高さにもつながります。
  • まちづくりのテーマが広がることで参加層が拡大、多様化し、コミュニケーションを通じた連携・協働が可能になります。
  • 多様な関心や多彩な切り口から取り組みを進めること(防犯からまちづくりへ、まちづくりから防犯へ)が大事です。



原則F(walkability and conviviality)

賑わいと活気に満ちあふれるまちにしていくこと

キーワード

優しいまなざし、 歩行性、 ミックスト・ユース、 まちの魅力や楽しさ、 コンパクト・シティ、 わいわいがやがや、

  • 景観が美しく、自然にあふれ、楽しい音楽に満ちていて、時折マーケットやイベントに出会えるような、歩いて気持ちいい、わくわくするようなまちには、自然と人々が引き付けられ、まちなかは活動でいっぱいになります。
  • このような「活気に満ちあふれたまち」は、多様な活動(住み、働き、移動し、憩うなど)が広い範囲の時間にわたって共存し、監視の目ではな く、優しいまなざしやコミュニケーションの輪、人々の活き活きとした暮らしそのものが、地域をみまもります)。まちで暮らす魅力や楽しさを高めていくこと が大切です。



原則G(sustainability)

時の経過のなかで循環するまちをつくっていくこと

キーワード

成長・発達、時間、自然な参加、持続可能性、自律性、自立性、適時性

  • まちづくり活動は、それぞれができることをできるときに、無理なく、楽しく、ワクワクとやっていくことが大事です。その結果、まち・地域の中で、自立的・自律的、また、持続的な活動にはぐくんでいくことが出来ます。
  • 防犯まちづくりにおいて、人々は見守る側、守られる側に分かれますが、状況の変化や時の経過によって、立場は入れ替わります。守られる側の子どもたちが成長に伴い見守る側に、見守る側だった大人たちが年老いて守られる側になります。
  • 多様な人々の自然な参加による、お互い様の信頼関係のなかで、子どもたちをはじめ人々の「空間の履歴」が豊かになり、生活の質が向上するという循環が生まれます。地域のなかで生き続けていく大きな時間の流れへの視野が大切です。

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

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