ホットスポット(犯罪多発地点) 犯罪が起こりやすいあの場所
- 犯罪が頻繁に起こり、集中してしまう場所があります。これが犯罪学でいうホットスポットです。
- 各都道府県警はホームページで犯罪発生マップを公開し、ひったくりや侵入盗、自動車盗、バイク盗などの犯罪の発生箇所を図示していますが、この集中箇所がホットスポットになります。
ホットスポットができる理由
人が多い、ターゲットとなりやすい物品が多いなど、犯罪の標的になりうるものが集中し、また、その場所の管理が不十分であったり、人目が少なかったりすると、犯行を行おうとするもの(潜在的犯行者)が多くなり、ホットスポットとなっていきます。
潜在的犯行者の立場からみれば、犯罪をしやすい場所を選択し、そこで犯行を行おうとするでしょう。このため、特定の場所に犯罪が集中していきます。このような場所は、潜在的犯行者に犯罪機会を与えていることになります。
ホットスポットに対する対策
ホットスポットを改善するためには、その原因を分析し、対策を講じる必要がああります。その際に問題分析トライアングルの考え方を用いるのも有効です。
具体的には、なぜ標的が多く、狙われるのか、なぜ犯行者がその場所に惹きつけられるのか、場所の管理・統制はどのように行われているのかなどを分析 し、被害リスクの高い人・物(標的・被害者)の保護、犯行者の誘因要素の除去、場所の統制強化といった観点から対策を行う必要があります。
参考:ホットプロダクト
ホットスポットと似た概念として、ホットプロダクトがあります。ホットプロダクトとは、犯罪被害に遭いやすい製品をいいます。たとえば、自動車盗をみると、すべての車種が同じ割合で盗難の被害に遭っているわけではなく、特定車種が狙われがちであることが知られています。海外で人気がありその部品も需要がある車種は、窃盗の対象となりやすくなります。また、小型電子機器、たとえばイヤホンやSDカードなどは万引きの対象となりやすく、多くの家電量販店ではこれらの製品をレジの側など店員の目に付きやすい場所に陳列して監視を強めたり、商品自体はレジ裏に保管し、サンプルのカードを陳列するなどの対策を取っています。