あなたはご存知(知識編)

犯罪被害者に対する考え方の遷移   

  1. 犯罪被害者は、歴史的にみると長い間無視されてきた存在でした。
  2. 第二次世界大戦以降、「被害者学」が誕生し、犯罪被害者も注目されるようになりました。


犯罪被害者が無視されつづけてきた時代

  • 犯罪被害者はなぜ無視されていたのでしょう。当時の刑法は犯罪者の処罰だけに関心を示し、被害者の保護を考慮してこなかったからです。
  • 刑事裁判では、被害者はあくまでも証拠の一つにすぎませんでした。


「被害者学」の誕生

  • 第二次世界大戦後、「被害者学」が誕生しました。
  • しかし、当時の被害者学では、善良な市民に対して加害者が一方的に加害し犯罪が成立するのではなく、加害者・被害者の相互作用の結果、犯罪が発生するものとされました。
  • なぜならば、酒場での喧嘩の原因が被害者の挑発によるものだったり、意図せぬ誘惑(肌の露出した服装や思わせぶりな態度・口調)が性犯罪の引き金になったりする場合があると指摘されたからです。
  • この視点は、犯罪発生に被害者の落ち度が関係している場合もあるとして、被害者の有責性や被害者非難に結びついていきました。


被害者の保護の時代

  • 1960年代になると、世界的に被害者の悲惨さが注目されるようになりました。
  • ニュージーランドで被害者に対する国家補償制度が初めて開始され、日本でも1970年代に犯罪被害者補償制度が導入されました。
  • 1980年代には「被害者の時代」と言われるようになり、たんに被害補償だけでなく、被害者の意見を刑事裁判や少年裁判に反映しようとする動きがみられ、21世紀になって、いよいよその動きは加速しています。
  • 現在日本では、多様な被害者保護制度が設けられています。

【例】

「意見陳述制度」公判廷において自らの意見を述べることができる

「通知制度」警察や検察の処理結果を伝える

「被害者参加制度」優先的に裁判を傍聴し被告人質問を行う

「国選弁護制度」弁護士費用を支援する

//事件記録の閲覧・コピーが可能な制度

「和解制度」

「損害賠償命令制度」


世界の被害者保護制度の動き

  • 世界的にはこれらに加え、修復的司法(リストラティブ・ジャスティス)と呼ばれる制度があり、多くの国が導入しています。
  • 修復的司法とは、裁判に代わって加害者と被害者が直接話し合う制度で、処罰よりも両者の関係を修復することが目的とされます。
  • 一般に、加害者は被害者の事件後における困難な状況を理解していないことが多いものですが、話しあうことで、加害者による被害者への賠償や謝罪が円滑に行われ、他方で加害者の社会復帰も促進されると考えられています。
  • 日本では実験的な試みはみられたが、制度としては導入されていません。
犯罪被害者の定義

犯罪被害者とは、文字通り犯罪により被害を受けた者で、自然災害や民事的な被害を受けた者と区別される。犯罪学によると、犯罪が成立するには犯行者の存在のほかに、被害者の存在が必要である。なぜなら、被害が生じていなければ犯罪者を処罰する必要はなく、刑法を適用することはできないからである。

上記の犯罪被害者の定義のもと、1970年代のアメリカでは、薬物犯罪・賭博・同性愛・売春などにおいて、被害者がいないのであるから処罰の必要はないという、いわゆる「非犯罪化」論がみられたが、現在、この見解は否定されている。

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