車道に自転車走行ラインを設けてゾーン20
京都市・三条通り界隈の取り組み
京都市中京区の三条通り界隈は観光客が多いにもかかわらず、車が抜け道として利用し、無理な信号通過も見られ、交通事故の危険性が指摘されていました。歩行者や自転車の交通ルール違反も問題になっていました。
そこで、観光客の安全性と利便性を向上するとともに、近くにある高倉小学校の子どもたちの安全を確保するため、地域住民と中京区と中京署が協働して、三条通り界隈の交通安全対策について検討を重ねてきました。その結果、車の制限速度を20キロに規制する「ゾーン20」にすると同時に、路肩帯の内側に赤いラインを入れて自転車走行ラインを設けました。このラインは、車道幅を狭めることで車の速度抑制を促す狙いもありました、さらに、三条通りに4機あった信号機を撤去し、交差点内と一時停止のカラー塗装を施しました。
現地を訪れた際には、車が注意をしながら交差点手前で一時停止し、走行する様子が見られました。また、車道を狭め自転車走行ラインを設けたことで、車の速度抑制だけでなく、自転車の左側通行が周知され、車と自転車と歩行者の道路のシェアリングがスムーズに行われている印象を受けました。
ところが、京都市内をよく知るタクシードライバーは「三条通り周辺は観光客の多い昼間はスピードを落とし安全に走る車が多くなったが、夜間は20キロ制限を守らない危険なドライバーがいて、信号が無いことで事故につながるのでは?」と心配します。
外傷予防のアプローチは3つのEが重要とされていますが、交通安全も、こうした環境改善(Environment)と規制強化(Enforcement)に加え、交差点での一時停止などのルールの周知徹底という安全教育(Education)も必要不可欠といえます。
(文責:森脇環帆)