セーフコミュニティ

韓国に学ぶセーフコミュニティ

認証地域と準備地域の概要

近年、日本においても、WHO(世界保健機関)が推奨するセーフコミュニティの取組みが広がっています。セーフコミュニティとは、エビデンスとPDCAサイクルに基づいて地域ぐるみで安全性を高めるプログラム・体制に対して国際認証を取得した地域をいいます。

お隣の韓国は、日本よりも先んじてセーフコミュニティの取組みを進めていますが、その実態はあまり知られていません。ここでは、韓国の取組みを紹介し、日本の特徴を浮き彫りにします。

国際認証取得の契機・目的

  1. セーフコミュニティの国際認証の取得の契機・目的は、様々です。
  2. 韓国では、失火による子ども死傷事故(松破区)や凶悪事件の多発(天安市)等、衝撃的な事件・事故が取得の契機となった地域もありますが、損傷による死亡がもたらす損失所得費用の高さをデータで示し、社会的コスト軽減を主たる目的として取組みを始めた地域(江北区)もあります。
  3. 日本でも、自殺率の高さ(十和田市)や体感治安の悪化(厚木市・豊島区)のデータを示し、対策を促しています。
  4. 韓国では、日韓W杯開催・世界遺産登録(水原市)や五輪誘致(釜山市)をバネに、国際都市としてのブランディングを狙った地域もありますが、日本では、初めて認証を受けた亀岡市に習い、「新しい公共」に基づく住民と行政の協働の推進を図っている地域も多く見られます。

ソウル市江北(カンブッ)区における早期死亡に伴う損失所得費用

損傷による死亡がもたらす損失所得費用の高さをデータで示し、対策を促しています。

どんな地域が認証されているか

  • 韓国では、人口100万人以上の水原市が認証され、人口300万人以上の釜山市が認証準備を進めています。日本の認証地域・準備地域は、人口・面積とも総じて韓国よりも規模が小さい傾向が見られます。

  • 釜山市では、ソウル市のように区単位での認証の選択肢も議論されましたが、関連データ収集とプログラム展開の効率性の観点から市全域での認証取得をめざしています。

認証までの準備期間は?

認証を申請するには、2年以上セーフコミュニティのプログラムに則った活動を実施することが条件になっています。 韓国では、認証まで概ね3年間かかり、6年以上かける地域もあります。 日本では、最短の2年間で認証を受けており、現在準備している地域も最短の2年間での認証をめざしています。

No.は、国際認証の番号。 「予」は認証予定時期、各地域の公式ホームページによる。

セーフコミュニティのプログラム

  1. セーフ・コミュニティのプログラムのカテゴリーは、おおむね共通しています。
  2. ハード面を見ると、バリアフリーを除くと、全般的に韓国の方が力をいれている傾向が見られます。例えば、ソウル市松破区では、子ども安全公園・安全館を整備し、子どもの安全教育の拠点とし、子ども安全財団が管理運営しています。また、天安市では、遠隔操作が可能な街頭防犯カメラを622台設置し、市職員9名が3交替制で24時間モニタリングしています。
  3. 身近な地域における住民と行政の協働は、日本の方が韓国よりもきめ細かく実施している傾向が見られます。例えば、亀岡市では、自治会が中心となって包括的なまちづくりプランを作成し、行政がそれに事業をあてはめて実施しています。韓国でも、分科会を設置して分野の垣根を越えた協働を推進しているが、日本よりも広域で行なわれている傾向があります。
  4. 子どもの安全に関するプログラムを見ると、韓国ではスクールゾーンにハンプと呼ばれる交通減速装置が設置されていますが、日本ではそれほど見られません。一方、日本ではどこでも行なわれている地域安全マップづくりは韓国ではほとんど見られません。

韓国の主な認証地域・準備地域のプログラム一覧(PDF)

セーフコミュニティの実施体制

セーフコミュニティは、北欧で保健施策の一環として始まったことから、ソウル市の2区では保健所に担当課を置いていますが、分野を越えたプログラムを展開するため、交通安全や防災も扱う安全施策部局、あるいは都市政策全般を扱う総務・企画部局に置かれており、日本ではその傾向が顕著です。
日本では、亀岡市のように、自治会を中心にまちづくりプランを作成し、行政がそれを事業化している地域が多く見られます。韓国でも、分科会を設置して分野の垣根を越えた協働を推進していますが、日本よりも広域で行なわれている傾向が見られます。
北欧では、医療サーベイ等のデータを一元管理し、その利用も容易ですが、日韓両国とも安全性向上のエビデンスとなるデータ収集のシステムが整っていないことから、それが担当行政機関の大きな負担になっています。そこで、済州道では、医療機関と連携して事故情報を一元管理するコンピューターシステムを開発・運用しており、釜山市では、地元の医科大学に研究センターを設置して、市が業務委託しています。

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

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