防犯からまちづくりへ

人と人とのつながりの構築を通じて地域の再生に挑む

堺市東区登美丘地区の防犯まちづくり

堺市東区登美丘地区は、古くからある農村集落や昭和初期に開発された住宅地、数年前に実施された駅前再開発とさまざまな表情を持つまちです。2002年、地区内でひったくりが多発したことをきっかけにして、NPO法人さかいhill-front forum・池﨑氏を中心に防犯活動から始まる総合的なまちづくり広がっています。人と人とのつながりを大切にしながら、地域の再生に挑んでいます。

→関連:人と人とのつながりが確認できる防犯パトロール

レシピ

学校との連携 指定管理者制度 文化活動 コミュニティFM

作り方

堺市東区登美丘地区では、NPO法人さかいhill-front forumが中心となり、防犯活動をきっかけにした総合的なまちづくりの広がりがあります。目に見える防犯対策にとどまらず、人と人とのつながりの再構築によって、地域の人の安全安心がうまれ、広い意味での防犯まちづくりにつながっています。

ステップ1:学校との連携

NPO法人の前進となる「とみおかまちづくり委員会」は、1996年に結成されました。当初は、中学校の空き教室を拠点にして、地域の魅力を探すまちあるきをしたり、公園の草むしりなど地域の環境整備に取り組んでいました。こうした活動初期に構築された中学校との関係や地域の人とのつながりが、その後の活動の大きな資産となっています。

ステップ2:指定管理者制度の活用

2005年、堺市東文化会館の開館とあわせて、NPO法人さかいhill-front forumを結成し、東文化会館の指定管理者となります。指定管理者となることで活動の拠点ができます。防犯パトロール前の情報交換の場になるだけでなく、各種会合や、文化芸術活動の拠点になっています。地域で困ったことがあれば、東文化会館にいけば、さかいhill-front forumの人に相談できます。また、文化芸術活動を通じて、青少年の教育や社会教育に大きく貢献しています。こうした活動が、地域の人々の信頼感の醸成につながり、地域で暮らす安心感につながっていくことが目指されています。

→参考:日本建築学会大会発表論文 「指定管理者NPOによる防犯まちづくりの可能性と課題—小学校区内外の地域協働に着目して—」

→参考:「指定管理者制度を活用した小学校区における地域協働の可能性と課題」

ステップ3:コミュニティFM

2007~2010年、NPO法人さかいhill-front forumでは、科学技術振興機構・社会技術開発センター・研究開発プログラム「犯罪からの子どもの安全」・「子どもの見守りによる安全な地域社会の構築 ハート・ルネサンス」を実施しました。携帯電話やGPSを活用した子どもの見守りの仕組みを構築するだけでなく、東文化会館内にコミュニティFMを開局しました。行政や警察からの情報を流すだけでなく、学校の行事や地域活動の様子を伝えています。高校の放送部が一部の番組を運営したり、地域の人たち手づくりで運営されています。目に見える防犯対策にとどまらず、ゆるやかに地域の人と人をつなぐことで安心して住める地域社会の構築が目指されています。

コラム:小さなことから実践を!

NPO法人さかいhill-front forumが中心となって進める堺市東区登美丘地区の防犯まちづくりは、防犯活動をきっかけとして、福祉、青少年教育、スポーツ活動、文化芸術、地域のあらゆる活動に広がっています。一足飛びに、指定管理者やコミュニティFMの開局というと、どこの地域でもできることではありませんが、理事長の池﨑さんは小さなことでも実践することの大切さを強調します。人と人とのつながりの構築を通じて地域の再生に挑戦する彼らも、最初は地域のコミュニティ新聞づくりや、清掃活動からはじまりました。今でも、清掃活動はもちろん、定期的に駅前での朝のあいさつ運動といった小さいけれども大切な活動を実践しています。こうした一つ一つ積み重ねが、登美丘地区の防犯まちづくりにつながっています。

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

参考にしたい

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  • 先進事例

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