防犯からまちづくりへ

人にやさしいまちづくり・ホームゾーンの取り組み

海外事例:イギリスのホームゾーン

イギリスで整備されているホームゾーンとは、住宅地の中の生活道路を歩行者優先のデザインに改良し、人にやさしいまちづくりを進めるプロジェクトです。歩行者専用とするのではなく、必要最低限の車は入ることができます。ホームゾーンは単に道路の構造を変えるだけでなく、コミュニティを育む様々な取組みが複合的に行われているのが特徴です。


事例1 ホームゾーン運動の象徴となったメスレー地区での取組み

この地区はバンダリズムが日常茶飯事の地域でした。そこで、アドリアン・シンクレアー氏は路上映画のイベントを企画し、沿道の住戸のドアをノックしながらイベントへの賛同を得て実施にこぎ着けました。映画だけなく演奏やダンスなども行うなど、ちょっとしたストリートパーティ風となり、企画は大成功でした。この成功を機に、次に企画されたのは、道路に芝生シートを敷いて屋外の通りを芝生広場のように演出し、卵スプーンレースやブラスバンドコンサート、サーカスやバーベキュー、そして夜は野外映画等のイベントを開催、沿道の地域住民が参加しました(1996年夏)。このイベントの様子は英国全土にニュースで流れ、ホームゾーンの運動の象徴となりました。

このようは道路で行うイベントの経験から、人間のための道路づくりの気運が持ち上がりました。そして検討を重ねていった5年後、少ない予算でできる方法として学校前の道路を中心に整備が進められました。その建設には地域住民が関わり、花壇の管理も地域住民の手で行っています。


←道路に芝生広場を演出しイベントを開催


住民参加により整備された道路→









←住民による花壇の管理





事例2  防犯と交通安全を両立させたホームゾーン

マンチェスター市にあるノースムア地区にある住宅公社による住宅地の事例です。ホームゾーンを導入したことにより事故や犯罪が減ったため、子育て世代にも魅力的な人気エリアとなって空き家が減少しました。

また、市・警察・消防・住宅公社・住民等によるパートナーシップを形成し、情報共有やアクションプランの策定を行うことで、事故・犯罪・反社会的行為に対処しています。中でも政府資金で住宅公社が雇用する「コミュニティ・ワーデン(警備員)」は、住民と信頼関係を築き、課題を発見・対処しています。

 

事例3 住民主導によるDIY的な道路改造「5ロード・フォーラム」

ロンドン市のウエスト・イーリング地区の事例です。1999年に住民自身が交通抑制策にとりかかりました。行政主導ではなく住民主導によるDIY的な道路改造を行っているのが特徴です。ここではフォーラムが結成されています。ストリートパーティを開いて住民内のコミュニケーションの活性化を図ったり、ニュースレターを定期的に発行したりといった活動が行われています。

ウエスト・イーリング地区にあるホームゾーンの様子


事例4 子どもたちも管理に関わっているホームゾーン

ロンドン市カムデン地区にあるホームゾーンは、行政主導で2004年に完成しました。このホームゾーンは小学校の周りにあります。ホームゾーンの整備後は子どもたちの路上での遊びが増え、55%の人が変化を肯定的に捉えています。沿道でのコミュニティのパーティなどコミュニケーションも活発となっています。子どもたちもベンチに絵を描くなどの装飾に携わったり、後々の管理にも関わっています。


カムデン地区の小学校の周りにあるラプトン通り、ライベリー通りのホームゾーン

ヒントとガイド

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