担い手をつなげる

人と人とのつながりが確認できる防犯パトロール

堺市東区登美丘地区の防犯パトロール

堺市東区登美丘地区は、古くからある農村集落、昭和初期に開発された住宅地や数年前に再開発された駅前とさまざまな表情を持つまちです。2002年、地区内でひったくりが多発したことをきっかけにして、NPO法人さかいhill-front forum・池﨑氏を中心に200人規模の防犯パトロールを中心とした防犯まちづくり活動が広がっています。人と人とのつながりを大切にしながら、地域の再生に挑んでいます。

→関連:人と人とのつながりの構築を通じて地域の再生に挑む

レシピ

防犯パトロール 200人規模 参加しやすくなる気配り

作り方

堺市東区登美丘地区では、200人規模の防犯パトロールが行われています。このような取り組みに至った経緯、工夫、取り組みで得られることについて紹介します。

ステップ1:きっかけは地域での話し合い

きっかけは地域での話し合いでした。地区内の公園で夜間の少年のたむろや騒音への苦情対応のため、地区の防犯委員会が公園周辺住民と警察を集め、その対策会議を開きました。その日のうちに、実際に「現場を見に行こう」と、約120人が参加し公園や近隣地区を見回りました。大勢でしたので、途中で会う人たちに「今日は何の集まりですか?」と何度も声をかけられました。大勢で歩けば地域の人に活動を知ってもらえます。これが、大勢で歩く重要性に気づくきっかけになりました。

ステップ2:参加しやすくなるための様々な気配り

現在では定例で月1回、200人規模でのパトロールとなっていますが、かつては事件や問題が起きるたびに、400人規模で実施していました。人々が参加しやすくなるよう様々な気配りがされています。
地域の人に「よかったら、パトロールに来てください」と声をかけますが、必ず「無理だったら来なくていいですよ」、「これるときに来てください」という言葉が添えられます。参加する側の気持ちの負担が軽くなり、参加者も不思議とそれなら参加したいという気になります。こうした声かけの際の気遣いがあります。
また、住民目線での活動が大切にされています。パトロールは、共通のユニフォームなどで活動メンバー同士の一体感を高めることが多いですが、登美丘地区では警察から購入する「防犯」の腕章だけが共通してつけられてます。各自治会のユニフォームは着てもよいし、着なくてもよく、普段着で気軽に参加できるよう配慮されています。
さらに、パトロールの途中で帰ってもよいし、歩かなくても玄関先で見守ってもよいことになっています。参加してもよいし、しなくてもよい、それぞれのできることを気軽に実践できるようになっています。

ステップ3:大勢で歩くことで得られること

防犯パトロールをする前に、拠点となる東文化会館・生涯学習施設にて、30分程度、情報交換会をします。警察からは犯罪の状況、行政からは地域向けの施策紹介、学校からは子どもたちの様子が報告されます。その後、地域の人、200人でまちを歩きます。学校の先生にわざわざ連絡を入れるのは非常に敷居が高いですが、一緒に歩いている学校の先生に話しかけることは難しくありません。このように、地域で不安や問題があれば気軽に情報や課題を共有することができます。そして、大勢の人たちで歩くことで、地域の人々自身で活動に取り組んでいることが目に見える形で確認できます。地域の人と人とのつながりを感じることができるという意義が非常に大きいといえます。

コラム:大切なのは警察との信頼関係

池﨑氏は、防犯パトロールは「犯罪自体を防ぐものではない」と強調します。実際に犯罪を防ぐのは警察であり、「大切なのは警察と地域の信頼関係ではないか」、とのことです。住民は警察ではないため犯罪者を取り締まれるわけではありません。防犯パトロールをすることで、地域の人たちのつながりを再確認できること、警察や行政との信頼関係につながることが、その意義といえます。人と人とのつながりを大切にしながら地域の再生に取り組んでいる登美丘地区ならではの象徴的な取り組みです。

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

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