モデル地区

岡崎市竜美丘地区の取組み

まちづくりNPOと協働で、包括的な安全まちづくりへ!

岡崎市竜美丘地区は、まちづくりNPOと協働して防犯組織を立ち上げ、安全まちづくり活動へと広げていった地域です。その一連のプロセスを紹介します。


(1)取り組みの背景

岡崎市は愛知県の南部にあり、人口約37万人の中核都市です。その中で竜美丘地区は、岡崎市中央部にある緑豊かで閑静な住宅街です。学区の西側には大型ショッピングセンターの開発などがあり、一方で少子高齢化が進むなど環境の変化が進んでいます。女子高生を狙った犯罪が多数発生しており、地区の治安を心配する声の高まりがありました。そこで、本研究プロジェクトのモデル地区として指定し、まちづくりNPO(岡崎まち育てセンター・りた、以下NPO法人りた)が中間支援組織として地域の防犯まちづくりを支援する取り組みを始めました。


(2)主な取り組み

防犯まちづくりの体制づくり

NPO法人りたによるモデル地区関係者へのヒアリングの結果、竜美丘地区では「活動に対する町内間の温度差とそれに伴う一部活動者への負担集中」「活動実態と成果が把握できないことに起因するモチベーションの低下」などが課題として認識されていることがわかりました。

また、竜美丘地区総代会(連合町会)を構成する9町会のうち、3町会は単年で総代(町会長)が変わります。そのため、毎年総代会構成員の1/3が入れ替わる竜美丘地区は、防犯活動を含む町内会活動の維持が困難な状況にあり、従前とは異なる新たな組織構成を模索する必要があることが分かりました。

そこで、竜美丘地区が組織再編後に目指す形として、自主防犯組織を総代会から竜美丘地区の福祉委員会に移管し、そのリーダーを地域役員の充て職ではなく、専任の新隊長をおく組織構成としました。こうして組織されたのが「竜美っ子あん&あんクラブ」です。そして、竜美丘小学校児童の見守り活動の再編を第一段階の課題として設定しました。


組織の体制づくりとまちづくりNPOの役割

NPO法人りたは、防犯まちづくりの体制づくりに係るヒアリング調査、他の学区の事例調査を通し、竜美丘地区のソーシャルキャピタルの特徴を把握し、防犯まちづくりの体制づくりをサポートしました。また、6回にわたる準備会を実施し、防犯まちづくり体制づくりのマネジメントを行いました。

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防犯まちづくり活動の開始

竜美っ子あん&あんクラブの活動は、「まずはやれること」として登下校時の見守りを活動の中心に据えましたが、同時に、活動のビジョンも掲げました。それは『「このまちに住んで本当によかった」と思えるまちづくりの実現』という包括的なものでした。この包括的なビジョンは後に良い効果をもたらしました。例えば、登下校の見守り活動にとどまらず、「野鳥の森を子どもが遊べる公園に!」という公園の環境整備の活動へと広げていくことができました。他にも「福祉活動と防犯活動の融合」「感謝の会の開催」なども構想され、活動に広がりを持たせることができました。


活動期のまちづくりNPOの役割

NPO法人りたは、まちづくり活動の専門的支援を行いました。包括的なビジョンを設定することの有効性を示したり、「活動実態が見えない」という課題を克服すべく、活動者向けアンケートを実施し、結果は学校と町内会の2ルートで周知され、見守り活動の維持と充実に貢献しました。

NPO法人りたが持つ人的ネットワークを竜美丘地区の防犯まちづくりに活用することができました。また、竜美っ子あん&あんクラブがやりきれない活動を補完しました。

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防犯活動からまちづくりへ

登下校の見守りから様々な活動へと構想が膨らむ中、竜美っ子あん&あんクラブ役員らと竜美丘地区の課題や既存の活動、担い手といった地域資源を統合的に診断する会議を2回開催しました。そこでは、1.地域ぐるみ見守り活動、2.野鳥の森活動、3.コミュニティづくり活動、4.福祉活動の4つのテーマが掲げられました。4つのテーマを実現するためには現状のメンバー(学区福祉委員会あんあんクラブ担当、PTA、小学校、老人会、子ども会)だけでなく、他の地域住民らとの協働の必要性が認識されました。例えば、学区福祉委員会としての強みを活かし、福祉活動を防犯活動につなげることや、交通安全指導 員の感謝の会と合同で防犯ボランティアの感謝の会を開催するアイディア等です。

そこで、町内会役員やあんあんクラブ担当以外の学区福祉委員、交通指導員らにも呼びかけ、包括的な防犯まちづくりについて意見交換をする「あんあんクラブ実行委員会」を開催しました。


防犯活動からまちづくりへと進化・波及するためのまちづくりNPOの役割

地域の担い手が多様な地域資源を横断的に診断できるよう情報を提供し、防犯活動を他のまちづくり活動と結びつけ、包括的な安全まちづくりへの展開へと導きました。

竜美っ子あん&あんクラブ実行委員会において、NPO法人りたは、まちづくりファシリテーション技術を用いて、参加者に対して簡潔に情報提供を行い、4つのテーマから関心の高いものを選んでグループ討議を行いました。その結果、組織を超えた具体的な活動イメージが既存の地域活動の担い手に共有され、負担を極力増やさずに相互に支え合おうという内発的なネットワーキングが起きました。ここから、活動と担い手の広がりが促されたことがうかがえます。

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(3)注目すべき成果

包括的なビジョンを掲げることで、防犯かつどうからまちづくりへと深化できることが確認できました。

竜美丘地区におけるNPO法人りたの支援事例を通して、まちづくりNPOが中間支援組織として果たす役割が見出せました。


※ 関連項目:まちづくりNPOと協働する(本編)

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

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