モデル地区

旭川市近文地区“近文あい運動”の取り組み

感謝を伝える


北海道旭川市近文地区は、北海道の中央にある住宅地。冬は雪が深くなることから、子ども達の置かれるまちの風景も一変します。また、大規模ショッピングセンターが出店したことから、交通量の増加による交通事故、人が集まることによる子ども達の影響も心配です。

そこで、社会福祉協議会を中心とした地域の人が一丸となって、そんな不安を解決するための取り組みを行っています。

(1)取り組みの背景・きっかけ

平成16年、大規模ショッピングセンターの出店を契機に、交通量の増加による交通事故と、不特定多数の人が集まることによる犯罪の増加に対する不安が高まりました。平成17年に小学1年生の殺害事件が起きたことを受け、地区の社会福祉協議会の発起により、「子どもを守るための住民懇談会&ネットワーク会議」を開催。近文小学校児童の集団下校に合わせ、住民による見守り活動を行う「近文あい運動」が始まりました。

(2)主な取り組み

子どもを守るための住民懇談会&ネットワーク会議

近文地区と旭川市の社会福祉協議会、自治会、小中学校PTA、高等学校、交番、警察、民生委員、建築・まちづくりの研究所が一丸となって、近文あい運動の活動内容を話し合う会議を定期的に開催しています。また、具体的な企画は、幹事会にて検討しています。


GISを活用した子どもの犯罪や交通事故に関する危険個所の把握

犯罪や交通事故などで危険な思いをした場所や時間、内容を小学校の全児童を対象にアンケート調査で把握しました。GISにて危険な場所とその危険度がわる「危険度マップ」にしました。なお、雪によって道路の状況が一変するため、調査は夏と冬にそれぞれ実施しました。できあがった危険度マップは、見守り活動の場所や子ども110番の家の設定などの対策に活用しています。

危険度マップ(左:非積雪期の交通事故、右:積雪時の犯罪)

 

地域住民による子どもの見守り活動

高齢者を中心に約250人の登録者により、低学年の集団下校に合わせ毎日実施しています。

見守り場所は、危険度マップを参考に設定しています。

また、みまもり量調査を行い、調査結果を見守り活動に反映しています。


住まいと街の安全・安心再生計画の策定

平成20年に国土交通省・警察庁の「住まいと街の安全・安心再生プロジェクト」のモデル地区に選定され、「旭川市近文地区住まいと街の安全・安心再生計画」を策定しました。

この中で、これまでの近文あい運動の活動を検証し、今後の具体的な取り組みを「アクションプラン」としてまとめています。


地域住民と子ども達の交流の場「地域ふれあい集会」の開催

近文あい運動の参加者などの地域住民と子どもの交流を図る目的で、毎年実施している交流会です。

子どもからの感謝のセレモニーを行った後、警察による「子ども110番の家」の講習を受け、町内会毎にわかれて子ども110番の家の位置などを確認します。交流会後は、地区住民と子どもが一緒に下校し、危険個所や110番の家を現地で確認します。


活動内容などを検討する「近文あい運動ワークショップ」の開催

近文あい運動参加者や警察、PTA、まちづくり専門家などが参加し、活動内容や方法などを検討するワークショップを毎年開催しています。見守り活動の方法の改善の他、防災まちづくりについても検討しています。

また、ワークショップ終了後にPTA保護者による感謝の昼食会を開催し、日頃の感謝の気持ちを伝えています。


くらがり調査と門灯・玄関灯の照明実験

夜間でも、地区住民が安全に安心して通行できる方策を検討するため、くらがり調査を実施しました。

この調査結果をもとに住民ワークショップを行い、町内会による防犯灯整備の参考にするほか、門灯や玄関灯を点灯する運動が提案されました。


門灯や玄関灯の点灯については、一部地区で実施しました。その結果、犯罪に対する不安感の改善効果が明らかになりました。


(3)活動のポイント

・リスクや成果の見える化と活動への反映、活性化

・活動者へ感謝の気持ちを伝える仕組み

・活動の目標を明確にするための計画づくり

・福祉や防災などへの展開

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
  • 組織づくり・運営
  • 計画づくり
  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
  • 担い手をつなげる
  • 情報の共有
  • 取組みの評価と改善

参考にしたい

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  • 先進事例

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