地域の問題をつかむ

本編 02-14

車の通り抜け調査1 車の通り抜け調査とは?   

  1. この調査では、地域内を通行する車の行動を調べ、地域に用のない通り抜け目的の車(通過交通)の量とその出入り箇所を把握します。
  2. 通り抜け目的の車が入ってくると、騒音や振動などによる生活環境の悪化や交通安全上の問題を引き起こす可能性があります。
  3. 地域住民ではない車両や人がいることが常態化するため、ひったくり・ちかんや誘拐などを企てる者も近づきやすくなる恐れがあります。

調査のポイント

通り抜けを「見える化」する

地域にお住まいの方は、車の通り抜けがどこに多いかを感覚的・経験的にご存じだと思います。しかし、その感覚は人によって異なるものです。まちづくりは地域全体で問題を認識し、まとまって取り組むことが大切ですから、地域内の誰にとっても問題を分かりやすくする表現をすることが必要です。車の通り抜け調査は、地域に関係ない車の通り抜けを「見える化」する取り組みです。


通り抜けを「見える化」するために

走っている車をみて、その車が「通り抜け」なのか否かを簡単に見分けることはできません。そこで、ナンバープレートを利用します。地域に入る車と出て行く車のナンバープレートと通過時刻を記録して、そこから「通り抜け」か否かを推測していきます。

ナンバープレートは、通常、最後の4ケタの数字(○○—○○)を記録しますが、車種の分類のために地名(陸運局名)の次の数字も記録してもよいでしょう。

調査から得られた結果を活かす

自分たちでできること

  • 馬出し

通学路や時間通行止めの規制がかかっているにもかかわらず、通り抜け利用の車が多い場合には、車が入れないように地域住民で「馬(A型バリケード)を出す方法もあります。対策をとりたい場合には、管轄の警察に相談してみましょう。

  • ドライバーへの周知活動

通学路や時間通行止めの規制がかかっていない場合、地域が迷惑していることをドライバーに周知することも有効です。

工場などへの通勤車両が多い場合には、その企業に相談しましょう。たいていの企業は通勤時のルートを把握しているので、生活道路は通らないように指導をしてもらいましょう。


  • ゆっくり走ろう運動

地域に居住する人が率先して地域内をゆっくり走ることにより、後続の通過交通車両のドライバーもゆっくり走らざるを得なくなり、道路のイメージを変えてしまうという方法です。その道路をショートカットしても時間短縮にならないことが伝われば、抜け道利用も減ることが期待されます。

  • 駐車対策

地域内に路上駐車車両が多く存在すると、その地域は駐車してもよい地域というイメージが生まれ、結果としてさらに多くの駐車車両を呼び込むことになります。路上駐車は誘拐などの犯罪の温床となることや、車の陰からの子どもの飛び出しなどによる交通事故の原因ともなります。

行政と協働して取り組むこと

  • 交通規制

抜け道利用されている経路・時間帯がわかっていれば、地域を所轄する警察と相談し、その時間帯の抜け道利用を防ぐ交通規制をかけることも考えられます。ただし、その際には、地域内での居住者の合意が求められることになります。

  • 交通静穏化

抜け道利用を削減し、走っている自動車の速度を低減する方法として、交通静穏化と呼ばれる手法があります。この方法は道路の改良工事が必要となりますので、道路を管理している自治体や警察と協働して取り組む必要があります。
交通静穏化の代表的な手法として、ハンプや狭さくと呼ばれるものがあります。

出典:「防犯まちづくりのための調査の手引き」

建築研究資料 No.117号(2009年5月)

独立行政法人建築研究所

ヒントとガイド

  • はじめに
  • 子どもの成長と安全
  • 地域の問題をつかむ
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  • 防犯からまちづくりへ
  • 活動をふくらませる
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